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重粒子線がん治療装置の高度化に向けて産官学連携で共同研究を加速

プレスリリース

粒子線治療装置

原子力

研究開発・技術

2020年6月11日

国立大学法人 横浜国立大学
地方独立行政法人 神奈川県立病院機構
東芝エネルギーシステムズ株式会社

 国立大学法人横浜国立大学(学長 長谷部勇一、以下「横浜国立大学」)、地方独立行政法人神奈川県立病院機構(理事長 吉川伸治、以下「病院機構」)、東芝エネルギーシステムズ株式会社(代表取締役社長 畠澤守、以下「東芝エネルギーシステムズ」)の3者は、2017年度に共同研究講座を設立し、病院機構の神奈川県立がんセンターで臨床運用中の重粒子線がん治療装置注1i-ROCK注2を用いた大学の先端技術により、がん治療における課題解決を図ることを目的として、照射位置の確認や照射量を測定する基礎研究を進めてまいりました。その結果、放射線の照射量に応じて発色する材料と発色量の三次元分布を測定する技術を開発し、複数方向からの重粒子線の照射量の三次元分布測定を約10分で実現できる手法を開発しました(横浜国立大学工学研究院 五東弘昭准教授)。
 これらの成果を踏まえ、この度、重粒子線がん治療装置の高度化に向けた産官学連携の研究を推進する契約を2020年4月1日より更新し、横浜国立大学研究推進機構内に「東芝エネルギーシステムズ・神奈川県立病院機構 重粒子線がん治療装置共同研究講座」(統括 横浜国立大学理事・副学長 梅原出)を設立、さらなる研究を開始しました。病院機構は実データや現場の具体的要望を横浜国立大学に提供し、東芝エネルギーシステムズはi-ROCKの設計・製造を一括で請け負った実績をもとに、機器や制御の観点から研究を支援します。研究期間は3年を予定しております。

 放射線治療では、体内の直接見えないがん標的に対して、あらかじめ計画した量の放射線を決められた位置に正確に照射することが求められます。i-ROCKは最新のスキャニング照射法を用い、炭素イオンを直径2mm以下の精度で照射可能です。
 一方、患者体内のがん標的の位置や状態は、例えば腸内のガスや呼吸などの影響を受け、日々変化しています。高精度な重粒子線治療では、このようながん標的の状態を短時間で正確に確認して治療を行ったり、適切に治療計画を修正する必要があります。そのためにX線CT画像やX線撮影画像を用いてがんと周辺臓器位置を短時間で正確に確認すること、および事前の治療計画との比較評価、ならびに状態変化の抑制や予測、さらに不均質な体内での三次元線量分布の正確な把握が求められることを、2017年度からの共同研究講座で課題として認識しました。
 今回の共同研究講座では、線量の三次元分布測定技術について、体内の状態を踏まえて位置や照射量を治療で求められる精度にまで向上させます。
 さらに、人工知能により画像を鮮明にしたり画像中の物体の変位を求めたりする技術(横浜国立大学環境情報研究院 長尾智晴教授)、人間工学を基にした機械学習を用いて人体の動きをトレーニングする運動学習支援技術(横浜国立大学工学研究院 島圭介准教授)などの研究も進め、がん標的に対し、より正確に放射線照射するとともに、健常臓器への放射線被ばくをより低減できる手法を開発します。
 また、大学の研究者、医療従事者、民間企業の技術者によるシナジーにより研究を加速するとともに、これらの研究を通じて得られる成果を、今後、がん治療現場の課題解決に適用して、重粒子線がん治療の特長を最大限に臨床で活用することを目指してまいります。なお、本講座には、横浜国立大学の学生も参加し、医療事業への理解の深耕、研究成果に対する社会の期待を体感する機会を通じて、世の中に貢献できる人材の育成にも寄与してまいります。

注1 重粒子線がん治療装置は、炭素イオンを光の速さの約70%まで加速してがん細胞に照射する放射線治療装置です。重粒子線がん治療は、体内深部のがんをピンポイントで照射できるため、周りの正常な細胞を傷つけにくく、また従来の放射線治療と比べてがん細胞を殺傷する能力が高いという特長があります。さらに治療期間が短いことなどから高い生活の質(QOL:Quality of Life)を実現できるがん治療法と言われています。

注2 ion-beam Radiation Oncology Center in Kanagawa
   http://kcch.kanagawa-pho.jp/i-rock/about/index.html


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