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東芝エネルギーシステムズ株式会社

特集・トピックス:福島第一原子力発電所3号機使用済燃料プール内からの
燃料取り出しに向けて

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福島第一原子力発電所 3号機向け燃料取扱設備
〜使用済燃料プール内のガレキを撤去し、燃料を取り出す〜

燃料を安全に取り出すための新たな設備

燃料を安全に取り出すための新たな設備

福島第一原子力発電所3号機では、原子炉建屋の上部が水素爆発により破損して一部がガレキとなり、使用済燃料プール内や原子炉建屋上部に堆積しました。使用済燃料プールには、東日本大震災が発生した時点で566体(使用済燃料514体、新燃料52体)の燃料が保管されていました。3号機の廃炉を進めるためには、使用済燃料プール内に堆積したガレキを撤去した後、全ての燃料を安全に取り出す必要があります。2015年11月に遠隔操作での大型ガレキ撤去作業を完了しましたが、使用済燃料プール内にはまだ小ガレキが残っています。3号機の原子炉建屋は放射線量率が高く、作業員の被ばく低減の観点から、従来と同等の有人作業での燃料取り出しをすることが困難です。そこで、遠隔によって燃料を安全に取り出すことが可能な新たな設備が必要でした。

工場内で検証し、福島第一原子力発電所へ搬送

(横浜~福島 輸送/据付)

装置を据え付ける場所は原子炉建屋上部に新たに設けた作業床上であり、作業員の被ばく低減と現地工程の短縮のため、事前に組立てた状態で現場に輸送し、据え付ける工法が採用されました。良好な作業環境が確保できる京浜事業所内で装置の組立を行い、実際に現場で作業にあたるオペレータによる遠隔操作の訓練を実施した後、海上輸送で福島第一原子力発電所まで運搬。その後、現地に搬入された組立て済の装置を大型トレーラに載せて構内を移動し、2017年11月に2台の大型クローラクレーンで作業床上に据え付けられました。100トン近くの重量物で特殊な構造を持つ装置のため、船による輸送や建屋への吊上げ作業には、細心の注意を払う必要がありました。

ガレキを撤去し、燃料を安全・確実に取り出す

ガレキを撤去し、燃料を安全・確実に取り出す

今回、当社が設置した燃料取扱設備は、①使用済燃料プール内に堆積したガレキを撤去し、②使用済燃料プール内の燃料を取り出して構内用輸送容器に装填し、③蓋を閉めて密封した後、共用プールに輸送容器を搬送することを目的としています。プール内のガレキ取り出し作業、燃料取り出し作業は、全て遠隔操作室から操作可能なシステムを構築。また、定期的なメンテナンスについては、遠隔操作による点検や作業床上に遮蔽を強化したメンテナンスエリアを設けるなどして、作業員の被ばくをできる限り低くするように設計されています。

設備の構成:

主に燃料取扱機と、クレーンにより構成されています。
本設備は、主に燃料取扱機と、クレーンにより構成されています。

燃料取扱機は、燃料把握機1台、ホイスト2台、マニピュレータを2本配置しています。燃料把握機には燃料を落下させないための安全機能があります。また、ホイストやマニピュレータ先端部分には切断する、つかむなど様々な作業に適切なツールを選択して遠隔で交換する機能があります。たとえ想定外のガレキがあった場合も、先端ツールだけを追加で設計すればよく、拡張性が確保されています。燃料に接近するカメラは、放射線による劣化を想定し交換可能にしています。また、ガレキをつかむ、切断するなどの作業によって生じるマニピュレータの揺れを抑えるための特殊な機構(テンシルトラス)を持っています。このことにより、カメラの画像もぶれることなく、確実で効率的な作業ができるという特長を有しています。

クレーンは、構内用輸送容器を吊り上げる主巻、構内用輸送容器の蓋の取り付け・取り外しを行う蓋締付装置等を吊り下げる補巻などから構成され、主に構内用輸送容器を使用済燃料プール内から地上階まで搬送する機能があります。

実機訓練:

本設備は、燃料を安全・確実に遠隔操作によって運用しなければならないことから、模擬燃料プールおよび燃料取扱設備を京浜事業所内に設置し作業員が訓練する環境を整えました。そして、ガレキの収納容器取扱、ガレキの移動・把持・切断・吸引、容器取扱い、燃料取り出しを作業員が遠隔でしっかり操作できるように訓練を実施しました。

今後に向けて

通常の装置開発においては、要求機能と前提条件が明確になっています。それに対し、福島第一原子力発電所の場合は前提条件が不明の部分が多く、また、放射線量率が高く、有人作業が限定されるという条件下で開発を進める必要があることが、通常の開発と大きく異なり困難なポイントでした。3号機において使用済燃料プール内のガレキを撤去し、燃料を取り出すミッションでは、装置の位置決めを如何に行うか、燃料の取扱を如何に安全に遂行するか、また、設備設置時の被ばくを低減するために如何に現場作業を効率的に行うかなど、様々な課題に取り組み装置設計に反映しました。まだ、燃料及びその周辺は不明なところが多いため、新たな課題も出てくるかもしれません。その時点で対策を検討し、一歩一歩確実かつ安全に対応していく必要があります。当社は今後も技術開発を進め、福島第一原子力発電所の廃炉に貢献していきます。

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