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東芝エネルギーシステムズ株式会社

特集・トピックス:対応の準備はできている? 電力自由化の次の改革へ

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対応の準備はできている? 電力自由化の次の改革へ

2011年の東日本大震災。良質な電気が途切れることなく手に入る環境が一変した。当時の計画停電や、その後上昇した電力料金などは記憶に新しいところだろう。

これまでと同じ仕組みでは「安定して」「安価に」電力を供給し続けられないかもしれない――かくして、経済産業省主導でスタートしたのが電力システム改革だ。2016年に実施された電力小売全面自由化はその改革の一つ。

そして2020年、新たな改革が行われるのをご存じだろうか。

今回、その改革と、それに対応していくための多彩な東芝のソリューションについて、東芝エネルギーシステムズ株式会社の梶原俊之氏、野田剛敏氏、草野日出男氏の3人に説明してもらった。

2020年――電力システム改革の総仕上げが迫る

市場を活性化させ、安くかつ安定した電気を届けることを目的に、電力システム改革はステップを踏んで進められてきた。電力小売全面自由化もその流れで行われた施策の一つ。

従来の日本の電気事業は、各地域を管轄する10社の電力会社が、電気を作る「発電」、発電所から消費者へと電力を届ける「送配電」、そして私たち電気消費者に販売する「小売」という3部門を一括で行う垂直一貫体制になっていた。

「電力小売全面自由化によって、ガス、通信、鉄道、家電量販店など異業種の会社が次々と『新電力(※)』に名乗りを上げ、電力小売市場に参入、一般家庭の消費者も電気を好きな会社から買えるようになりました。そして、この改革の最終ステップが2020年に行われる『送配電部門の法的分離』なのです」(東芝エネルギーシステムズ株式会社 電力系統システム統括部 梶原俊之氏)

※新たな電気事業者のこと。

東芝エネルギーシステムズ株式会社 電力系統システム統括部 梶原俊之氏
東芝エネルギーシステムズ株式会社 電力系統システム統括部 梶原俊之氏

発電した電力を売買するには、送配電ネットワークが使えることが不可欠。

「電力会社の送配電部門を別会社化して中立性・独立性を高めることで、送配電網を誰もが公平に利用し、『電力小売全面自由化』で推し進められてきた競争環境を担保できるようにすることが『発送電分離』の狙いです」(梶原氏)

出典:経済産業省 総合資源エネルギー調査会 総合部会「電力システム改革専門委員会報告書」(p.32)
出典:経済産業省 総合資源エネルギー調査会 総合部会「電力システム改革専門委員会報告書」(p.32)

このように新しい体制が生まれようとする中、システムに導入される技術が大きく注目されているのだ。

技術が加速させる!東芝が支える電力の明日

発送電分離により送配電部門は中立性がより明確化され、発電と小売の兼業も原則禁止される。

そのため、電力を安定供給するための需給管理の仕組みが変わり、発電・小売会社は顧客や自社の電源の30分ごとの需要電力量と供給量を計画値と一致させることが義務付けられる。また、送配電会社は地域の需要量と供給量を瞬時に一致させるといったそれぞれの責任を果たすことになる。

計画値同時同量制度の概要―需要BGと発電BGのそれぞれで、計画値と実績値を30分ごとに一致させる。計画と実績の差異をインバランスと呼ぶ。BG(Balancing Group)とは、30分ごとの複数の需要と発電を一致させる単位のこと。
計画値同時同量制度の概要―需要BGと発電BGのそれぞれで、計画値と実績値を30分ごとに一致させる。計画と実績の差異をインバランスと呼ぶ。BG(Balancing Group)とは、30分ごとの複数の需要と発電を一致させる単位のこと。

加えて、発電・小売会社は競争分野の事業者として、運用コストの最小化・電力取引による利益の最大化を目指していくことになるだろう。

「そこで求められるのが新たな『電力需給管理システム』です。東芝は、すでに発電と需要の計画値と実績値を管理するシステムを提供しています。このシステムは自社発電所の効率的な運用や、利益最大化を図る需給計画や需要予測を行うことも可能です」(東芝エネルギーシステムズ株式会社 電力系統システム統括部 野田剛敏氏)

東芝エネルギーシステムズ株式会社 電力系統システム統括部 野田剛敏氏
東芝エネルギーシステムズ株式会社 電力系統システム統括部 野田剛敏氏

その他、問題となりうるのが託送料金(※)。送配電事業者は、小売電気事業者から得る託送料金で設備の維持・更新を行うが、その際、料金の低さが強く求められ、送配電事業者への圧力になると予想されるのだ。

※送配電網の利用料金

これに向け、東芝では2つのソリューションを用意している。一つは送配電部門に向けた基幹系統から配電系統まで一貫した監視制御を可能とする新しい「監視制御システム」だ。基幹系統から配電系統までのデータの一元化や、セキュリティ対策の実装、システムの集中化と業務の効率化を実現し、送配電部門の効率化・コスト低減を推し進めることができる。

基幹系統から配電系統までの一貫した電力監視制御システム―送配電系統のデータの一元管理や電力監視制御システムのコスト低減を実現する。
基幹系統から配電系統までの一貫した電力監視制御システム―送配電系統のデータの一元管理や電力監視制御システムのコスト低減を実現する。

もう一つは、人やモノ、資金、情報にいたる経営資源をすべてデジタル化し、総合的にマネジメントする「アセットマネジメント」。東芝はIoTアーキテクチャーのSPINEX™やコミュニケーションAIのRECAIUS™を活用してデータを収集分析し、経営判断に生かせるシステムで、送配電事業の効率経営を支援する。

「また、この改革では、需給一致の観点から電力の調整力の確保も大きなポイントです。東芝は、リチウムイオン二次電池SCiB™を用いた『定置型蓄電池システム』や『自立型水素エネルギー供給システムH2One™』など、電力を一時的に蓄えるためのソリューションも提供しています」(東芝エネルギーシステムズ株式会社 電力系統システム統括部 草野日出男氏)

東芝エネルギーシステムズ株式会社 電力系統システム統括部 草野日出男氏
東芝エネルギーシステムズ株式会社 電力系統システム統括部 草野日出男氏

実は、東芝の定置型蓄電池システムは、リチウムイオン二次電池を採用した系統用大型蓄電池として国内トップシェア。また、中央給電指令所システム(※)も国内No.1だ。その他にも先進的なシステムを数多く開発・納入している。これまでに培った知見と技術が、新たなシステム・ソリューションの土台となっている。

※中央給電指令所システム:階層化された電力監視制御システムの最上位システム。電力の安定供給と経済運用を支援する豊富な需給/系統運用機能を備えている。ここでの知見は「電力需給管理システム」に生かされている。

「当たり前」と思いがちな電気のある生活は、高度な技術の集積なくしてありえない。2020年の電力システム改革を機に「当たり前」の裏側を考えてみるのも良いかもしれない。

【出典】TOSHIBA CLIP (https://www.toshiba-clip.com/detail/4955

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